保険は“地域の不確実性”を小さくする仕組み
保険は“地域の不確実性”を小さくする仕組み
――豪雪地帯・沿岸部の建設会社が備えるべきリスクとは
アドバンスホールディング
梅村 崇貴
建設業は、地域の気候や地形の影響を大きく受ける産業です。
特に 豪雪地帯や沿岸部 では、全国平均とは異なる独自のリスクがあり、
そのリスクをどれだけ理解し、備えているかが“会社の強さ”につながります。
私はこれまで長年、多くの工務店・建設会社の事故対応に携わってきましたが、
強く感じているのは、
「地域特性に合わせた備え」をしている企業ほど復旧が早い という点です。
ここでは、地域特性に即した建設業の代表的なリスクをご紹介します。
■ 【1】豪雪による足場倒壊・仮設物の破損
豪雪地帯では、
・積雪の重み
・凍結による締め付け
・吹雪による風圧
などで足場や仮設物が倒壊する事故が増えています。
→ 建設工事保険(風災・雪災補償)で仮設物の損害を補填。
迅速な復旧が工期遅延を防ぎます。
■ 【2】積雪による建築中の屋根や躯体の損傷
建築途中の屋根が雪の重みで変形したり、
防水シートの破れから雨雪が入り込み内部を濡らすケースもあります。
→ 施工中の建物は工事保険で補償可能。
雪害を前提にした補償選びがポイントです。
■ 【3】沿岸部の“塩害”による資材劣化・設備故障
沿岸地域では、潮風で鉄部や機械が早期に腐食する「塩害」が避けられません。
重機や工具の寿命が短くなるケースも多く見られます。
→ 動産総合保険で設備や工具の損害を補償。
塩害地域では補償範囲の確認が特に重要です。
■ 【4】台風による足場の飛散・隣家損傷
沿岸部は台風の風圧を強く受けやすく、
足場や資材が飛散して近隣住宅を損傷する事例が多発します。
→ 請負業者賠償責任保険で第三者の物損・ケガに対応。
地域密着の工務店ほど「近隣配慮」が経営に影響します。
■ 【5】豪雨による道路寸断・現場への資材搬入遅れ
山間部・沿岸部ともに、豪雨による河川氾濫や土砂災害で道路が寸断され、
資材搬入が遅れて工期がずれ込むことがあります。
→ 工事保険+事業継続補償の組み合わせでリスクを軽減。
■ 【6】地震による建築中の倒壊・資材損傷
地震が多い地域では、建築途中の建物や仮設足場が被害を受けるリスクがあります。
→ 地震補償を付帯した工事保険で建物・資材をカバー。
地震リスクは地域差が大きく、特約の有無が重要です。
■ 【7】資材の盗難(特に高価な配管・銅線・外壁材)
資材置き場が雪で見えなくなる、
または沿岸部の人気が少ない場所にある現場では盗難リスクが高まります。
→ 工事保険の盗難補償で資材・建材の損害を補填。
■ 【8】冬季の“転倒事故”による作業員のケガ
豪雪地域では、凍結した現場での転倒事故が非常に多く、
職人さんのケガはスケジュールに大きく影響します。
→ 労災+上乗せ保険で治療費や休業補償を手厚く。
職人さんの安心が会社の信用につながります。
■ 地域特性を理解した“備え”が会社を守る
豪雪地帯・沿岸部には、それぞれ固有のリスクがあります。
豪雪地帯:雪の重み・凍結・吹雪による倒壊
沿岸部:塩害・強風・高潮
山間部:土砂崩れ・道路寸断
平野部:広範囲の洪水リスク
これらに共通するのは、
「企業努力だけでは防ぎきれない“不確実性”が多い」
という点です。
だからこそ、保険は建設業・工務店にとって
“経営を守る最後の砦”
となります。
■ 最後に
これまで多くの建設会社様の現場に寄り添ってきましたが、
地域特性に合わせた保険・補償を整えている企業は、
事故が起きても早く立ち直り、施主や地域との信頼を守っています。
これからも、地域の気候・環境を踏まえた最適な備えをご提案し、
皆さまの事業をしっかりと支えてまいります。
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