保険は“雪国の不確実性”を小さくする仕組み
保険は“雪国の不確実性”を小さくする仕組み
――豪雪地帯で建設業が備えるべき5つのリスク
アドバンスホールディング
梅村 崇貴
豪雪地帯での建設業は、全国どこよりも自然の影響を強く受ける産業です。
積雪・凍結・吹雪・寒暖差――。
これらは工事の進捗や品質、安全に大きくかかわり、避けようとしても避けきれない“地域特有のリスク”を生みます。
私は長年、雪国の工務店・建設会社様の事故対応に携わってきましたが、
強く感じているのは、
「雪を前提にした備え」をしている企業ほど復旧が早く、信頼を守りやすい
ということです。
以下に、豪雪地帯に特化した代表的なリスクと、その備えをご紹介します。
■ 【1】積雪による足場の倒壊・仮設物の破損
豪雪地帯では、数十センチの積雪が一晩で増えることも珍しくありません。
雪の重みや凍結によって、
・足場の変形
・仮設屋根やシートの破れ
・部材の落下
などが発生しやすくなります。
▼ 有効な備え:建設工事保険(雪災補償)
→ 足場・仮設物の損害をカバーし、工期遅延のリスクを軽減します。
■ 【2】建築中の建物が雪で損傷
屋根が仕上がる前の建物は特に雪害に弱く、
・雪の重みで屋根下地が変形
・吹雪で養生シートが剥がれて雨雪が浸入
・断熱材や構造材が濡れて品質不良
などが起きる場合があります。
▼ 有効な備え:工事保険(建物・資材補償)
→ 施工中の建物への損害を補償でき、追加工事の負担を抑えます。
■ 【3】積雪・凍結による作業員の転倒事故
冬場の現場は「滑りやすい」「視界が悪い」「足元が硬い」と、
転倒やケガのリスクが特に高まります。
一人の休業が工程に大きな影響を与えることも少なくありません。
▼ 有効な備え:労災+労災上乗せ保険
→ ドライバー・職人の治療費や休業補償を手厚くし、安心して復帰できる環境を整えます。
■ 【4】除雪作業中の事故・重機トラブル
豪雪地域では、
・除雪機の故障
・作業中の接触事故
・視界不良による物損
などが頻繁に発生します。
▼ 有効な備え:動産総合保険・請負業者賠償責任保険
→ 重機の修理費、第三者への損害を補償できます。
■ 【5】資材置き場の倒壊・資材の雪害
屋外の資材置き場が雪の重みで倒壊したり、
積雪が原因で建材が曲がる・濡れるといった被害も多く発生します。
▼ 有効な備え:建設工事保険(資材補償)
→ 屋外保管の資材損害に有効です。
■ 豪雪地帯では“普通のリスク”が“重大リスク”になる
雪国の建設業は、以下のように雪があらゆる場面に影響します。
足場の強度が雪で変わる
施工精度が気温に左右される
養生の耐久性が落ちやすい
動線が凍結し安全リスクが高まる
工程が止まると雪が積もり作業再開が困難に
道路状況悪化で資材搬入にも遅れが出やすい
つまり、
「雪がある前提で現場管理をするかどうか」 が
会社の事故率にも、工事品質にも、施主の信頼にも大きく影響します。
その不確実性を“小さくする”ための手段が、保険であり備えです。
■ 最後に
私はこれまで、雪国ならではの事故・損害に多く立ち会ってきました。
その中で確信しているのは、
豪雪地帯の建設業こそ、地域特性に合わせた補償設計が不可欠
ということです。
備えを整えた企業ほど、
・復旧が早く
・追加コストが抑えられ
・施主や地域の信頼を守り抜いています。
これからも、雪国の現場を理解した提案を通じて、
皆さまの建設事業をしっかりと支えてまいります。
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