保険は“未来の不確実性”を小さくする仕組み
保険は“未来の不確実性”を小さくする仕組み
――印刷業が直面する10のリスクと、その備え
アドバンスホールディング
梅村 崇貴
印刷業は「設備産業」でありながら「品質産業」でもあります。
輪転機・オフセット印刷機・製本ラインなど、機械が一つ止まれば納期が危うくなり、
わずかな色調ズレで大量の刷り直しが発生することもあります。
長年、地域の印刷会社様と共に歩んできた中で強く感じるのは、
「印刷業は、努力だけでは避けられない“不確実性”が多い」
ということです。
ここでは、実際の印刷業で起こりやすい10の事例を紹介しながら、
保険が“経営の後ろ盾”としてどう機能するのかをお伝えします。
■ 【事例①】輪転機の故障でライン停止
主力機が突然停止し、修理に10日以上を要したA社様。
外注費が膨らむ中、動産総合保険が
修理費・外注費の一部を補償し、納期遅延を回避。
機械依存度の高い印刷業ならではの典型例です。
■ 【事例②】色調のズレによる大量刷り直し
数万部のカタログで色がわずかにズレ、全量刷り直しとなったB社様。
紙代・インク代・加工費など損失は甚大でしたが、
PL保険と受託加工賠償で不良対応費がカバーされ、信頼維持につながりました。
■ 【事例③】従業員が裁断機で手をケガ
C社様では従業員が裁断機に手を挟む事故が発生。
労災に加え上乗せ保険が、
休業補償・後遺障害補償を充実させ、従業員と家族の不安を軽減しました。
■ 【事例④】紙倉庫の水濡れ事故
豪雨で排水が追いつかず、紙倉庫が浸水したD社様。
大量の紙が使用不能に。
倉庫・在庫の補償があったことで、
紙・資材の損失が補償され、生産スケジュールの崩壊を防止。
■ 【事例⑤】データ誤送信による情報漏えい
E社様では、名簿データの誤送信トラブルが発生。
サイバー保険により、
原因調査・顧客通知・弁護士費用が補償され、信頼低下を最小限に抑制。
■ 【事例⑥】製本工程のトラブルで背割れ発生
製本途中の温度・湿度管理の影響で背割れが多発し、全量加工し直しになったF社様。
受託加工賠償とPL保険の組み合わせで、
再加工費用とクレーム対応コストがカバーされました。
■ 【事例⑦】断裁ミスでロット全体が不良に
断裁寸法を誤り、既に刷り上がっていた冊子がすべて不良になったG社様。
紙代・印刷費・加工費を含む損失が発生。
保険の補償により、
外注や再製造にかかる費用負担が軽減されました。
■ 【事例⑧】インキ供給装置の故障で油が機械に漏れ広がる
H社様ではインキ供給装置の故障が原因で油が広範囲に漏れ、清掃と部品交換に多額の費用が発生。
動産保険が適用され、
修理・清掃に要した費用が補償され、操業再開が早まりました。
■ 【事例⑨】顧客が来社中に転倒事故
来社した顧客が工場内で足を滑らせて転倒し、ケガをしたI社様。
施設賠償責任保険が発動し、
治療費・慰謝料が補償され、トラブルの長期化を防止。
■ 【事例⑩】台風による屋根損壊と雨漏りで機械も被害
大型台風で屋根が一部飛び、雨漏りした水が製本機に入って故障したJ社様。
建物と機械の両方が損害を受けましたが、
工場総合保険が建物・設備を広くカバーし、早期復旧を実現。
■ 印刷業の“不確実性”は広範囲に及ぶ
印刷業は、
設備トラブル
品質クレーム
人の事故(労災・来客)
在庫(紙)の保管リスク
納期遅延リスク
サイバーリスク
自然災害
など、多岐にわたるリスクを抱えています。
つまり、
「管理努力だけでは防ぎ切れない領域が大きい」
という特徴があります。
だからこそ、
起きたときのダメージを最小限にする仕組み=保険
が経営に不可欠なのです。
■ 印刷業の未来を守るために
70年の人生と長年の経験を通じ、私は数多くの印刷会社様の“もしも”に寄り添ってきました。
そのたびに感じるのは、
「備えがある企業ほど、早く復旧し、信用を守れる」
ということです。
これからも、印刷業の皆さまが安心して挑戦し続けられるよう、
最適なリスク対策を丁寧にお届けしてまいります。
0コメント